Anon’s MovieLife

私の映画の自由帳

時に善意は人をも殺す

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1932年 アメリカの刑務所で死刑囚監房を務めるポールのもとに

双子の少女を強姦殺人した罪で死刑囚となったジョン・コーフィーが来る

だがその大きい風貌とはそぐわないほど彼はひ弱で繊細な心を持った男だった

 

この映画を初めて見たのは小学生のころだったかな

金曜ロードショーで何となくみて

コーフィーが口から虫のような黒い粒を吐き出すシーンが印象的だった

あとは死刑囚だからもちろん死刑執行のシーンがあるのだが

電気椅子がとっても怖かったことくらいしか覚えていなかった

 

そして大人になって「そういえば・・・」くらいな気持ちで

このDVDを手に取りなにげなく再生した

ものすごい映画だった

 

最後のシーンでは呼吸困難になるほど泣いた

「なんで?どうして?」って何回も思った

でもあの結果がジョン・コーフィーを救う手段だったのかもしれない

毎日人の苦しむ声や悲しむ感情が頭の中に飛び込んできて

内側からガラスでズタズタにされてるような感じなんだって

 

本当の真相をポールもブルータルもディーンも

わかってたから。それで十分だよ。

 

約3時間。188分の映画はあっという間だった。

死刑囚ひとり一人にストーリーがあり

子供のころに味わった恐怖心などなく

苦しいほどの切なさと悲しみと共に

何とも言えない暖かさが残る映画だった

子供が少女を大人にするの

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JUNO16歳。まだ子供。

ある日予期せぬ妊娠をしてしまった彼女はおもちゃのような

ハンバーガーの電話機で親友のリアに電話をする

リアは「どうやって処理する?」と言った

 

子供を産むという選択肢は彼女たちにはない。

 

子供が妊娠をするというのは

ドラマや映画などでもよく目にする題材だけれど

「JUNO」は一味も二味も違った。

重い題材なのだけれど全然重さを感じさせないむしろコメディ

子供をおろすでもなく、産んで育てるでもなく

「自分は子供だから育てられる訳ない。だから幸せな家庭に養子縁組する」

自ら新聞に載っている幸せそうな美男美女の家庭を選び訪問

そういうところ割り切ってる当たりJUNOは大人なのだと思う

 

赤ちゃんの父親と喧嘩の時にJUNOが言っていた

「男はいいよね。やったって証拠が残らないんだから

 私なんて見てよ!お腹こんなんだよ?????」

ってセリフに何十回も頷いてしまいました。笑

 

そこからいろいろな事件が起こるのだが

JUNOが選んだ家庭は壊れてしまう。バラバラに。

そしてJUNOは気づいたんだろうな…愛は永遠には続かないって

信じていたものが目の前で壊れていったらそりゃ泣くよね

この家族だから赤ちゃんをお願いしたいと思ったのに…

でも…それでも私のお腹にいる赤ちゃん大切に育ててくれるなら

お願いします。ってことだよね。

 

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JUNO。あなたよく頑張ったよ。

伝説は熱く。そして儚く美しく。

QUEEN‐Bohemian Rhapsody

 

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日本でも有名な伝説的ロックバンド

 

1970年代のロンドン。青年ファルーク・バルサ

厳しい父とは折り合いが合わず

自分のルーツを嫌って「フレディ」と名乗っていた。

 

映画の概要なんてどうでもいいと思う

それ以上にこの映画は「フレディ・マーキュリー」そのものであり

曲同様に彼が生きた証でもあると思う

 

彼の人間としての弱さや孤独への恐怖心

メアリーがどれだけ彼にとって大きい存在だったか

 

彼の想いに同調するたびに涙が止まらない

最後のライヴエイドのシーンを予告で観るたびに

興奮!熱い!QUEEN!Yhaaaaaaaaa!

って感じだと思ってた。でも

映画を通して最後に観たライヴエイドは違った

どんな思いであの場所に立って

どんな思いでレスポンスを受け

どんな思いでピアノを弾いて

どんな思いで歌い上げたのか

約20分間涙が止まらなかった。

 

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映画館で観なきゃいけない映画って

こういう映画なんだと思う

届かない輝きに憧れていたんだ

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舞台はカリフォルニア州サクラメント

大学の見学から帰る途中ニューヨークの大学に行きたいレディーバードは

サクラメント私立の大学に行くことを進める母親に対し

苛立ち車の助手席から飛び降り右腕を骨折してしまう。

ピンク色のギブスがとても可愛い。

「Fuck mum」の文字にさえ愛を感じてしまう

 

18歳ってこんな感じに痛々しかったなぁと

自分の学生時代を思い出させてくれた

 

クラスメイトの初体験の話にソワソワしたり

近所の庭が大きくて素敵な家に憧れを抱いたり

大親友と喧嘩をしてしまったり

好きな人がコロコロ変わったり

 

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主人公のレディーバードが18歳になった次の日

コンビニで煙草と成人雑誌を買っていたシーンに

昔は煙草もお酒も18禁のピンク色のコーナーも

手が届かないから憧れていたけれど

この年になってみると当たり前にそばにあるものだから

特に関心も興味もなくなってしまっている

 

届かないものって届かないから輝いて見えるし

いざ手に入れたところで輝きを失ってたりする

でもその一瞬一瞬に感じる感情って宝物で

今は絶対に味わうことのできないものだから

もし子供が出来たら「初めてのこと」はどんなことであれ

大切にしてほしいと思う。いろんな感情で感じてほしい。

素敵な映画に初めて出会ったあの感覚を忘れないでいたい。

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そして何より

ティモシーシャラメが美しすぎて直視できないレベルでした。

 

そこはまるで大人のおもちゃ箱

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「グランドブタペストホテル」それはピンク色の可愛いホテル

 

映画は2014年公開

ズブロフカ共和国という仮想の国にある

[グランドブタペストホテル]が舞台

ホテルのカリスマ的コンシェルジュである男と

若いロビーボーイ(ベルボーイ)が裕福な老婆の死の真相に迫るコメディ映画

 

なんといってもこの可愛い色合いがお気に入りです

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アンダーソン監督といえばい言わんばかりの色彩に

シリアスなシーンでさえもうっとりさせられるばかり

まるでカラフルに場面が変わる紙芝居のような感覚

 

そんな中でも時折見せる時代背景には戦争が色濃く残り

人種差別や貧富の差を感じさせられ考えさせられるシーンに

ブラックーユーモアが香る大人のおもちゃ箱って感じがしました

 

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こんな楽しい映画に出会えたことに心から感謝。

 

 

永遠に私のNO.1 [凶暴な純愛]

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1994年公開のフランスとアメリカの合作映画

監督はリュックベッソンによるアクション映画

 

ジャンレノが演じる孤独なイタリア系移民のプロの殺し屋「レオン」と

ナタリーポートマン演じるアパートの隣に住む少女「マチルダ」の

暴力的で純粋な愛のお話し

 

何が好きってまずマチルダの可愛さですよ!!

もう暴力的に可愛い!そして独特のファッションセンス!

MA-1を私が買ったのは何年か前に流行したからではなく

チルダの真似がしたかったからです。

 

そして忘れちゃいけないのが

ゲイリーオールドマン演じる麻薬取締局の刑事でありながら

麻薬密売組織を裏で牛耳る男スタンスフィールド

フリスクを食べるときにこの真似をして食べた人も少なくないはず

あのシーンで服用している薬「エクスタシー」という薬らしく

音楽を聞くことによって快感を味わうことのできる薬らしい

だからマチルダの家族を惨殺している時のBGMがクラシックだったんですね

狂ってるけどかっこいいんですよね。スタン様最高。

 

唯一の友達は観葉植物。字すらも書けないレオンと

家族全員を殺され復讐を試みる大人びた少女マチルダの二人の愛に

何回観ても涙が止まりません。

きっと本当の愛ってこういう形なのだと思わせてくれる。そんな作品